終わらない放射能汚染

福島県浪江町大堀地区での放射能調査。2019年10月21日。
グリーンピース放射能調査
最新報告書より

台風の影響で増水した阿武隈川での放射能調査。2019年10月30日。

画像右・左:福島県南相馬市での放射能調査。2019年10月31日。

台風19号の直撃 2011年の東京電力福島第一原発事故発生直後から続けてきた、グリーンピースの放射能調査。昨年秋で30回目になりました。ご寄付でこの調査活動をご支援くださった皆さま、ありがとうございました。
今回の調査は2019年10~11月に浪江町・大熊町・飯舘村などで実施されました。5ヶ月以上前から準備されてきた調査でしたが、調査直前に台風19号が福島県を直撃。100年に一度という規模に発達したこの大型台風は日本各地に甚大な被害をもたらしましたが、調査チームは図らずも、台風が大雨と暴風によって放射能汚染を拡散することを直接目の当たりにすることになりました。
森林に蓄積した放射能は雨によって川へ、川を通じて海に流れていき、生態系にひろく浸透していきます。このことはグリーンピース が2016年に発表した調査報告書『循環する放射能』でも指摘しています。大雨や暴風によって放射能の移動はさらに増大します。今回、台風19号の通過の後の定点計測では、過去数年間の経過とは異なる放射能汚染が確認されました。
たとえば2017年から測定調査を続けている浪江町下津島の住宅では、前年と比較して放射線レベルは半減した箇所と同時に新たなホットスポット(最大で地表面から10センチの高さで毎時14マイクロシーベルト)もみつかりました。また同じく2017年から測定を続けている浪江町赤宇木の住宅でもすべての定点測定地点で放射線レベルが低下した一方で、地表面から10センチの高さで毎時90マイクロシーベルトという高レベルの汚染が確認された地点がありました。
今回の調査だけで、台風の影響による再汚染であるといいきることはできませんが、面積の7割を山林が占める福島の放射能汚染問題の複雑さの、証拠のひとつといえます。 いうまでもありませんが、山林は除染の対象ではないため、ここに蓄積した放射性物質は雨や風、そして台風といった自然の力に運ばれ、除染された地域にも降り注ぎ、再汚染が引き起こされるのです。

福島県大熊町。2019年11月2日撮影。
原発事故被害者は国内避難民
グリーンピースは過去数年間にわたって、国連人権理事会で原発事故被害による人権侵害を直接訴えてきました。とくに放射能に対して成人男子よりも大きな影響を受ける女性や子どもの人権、そして原発労働者や除染作業員の人権についても報告してきました。
日本政府が避難指示を解除し、住宅支援をうちきり、帰還を強制される避難者にも、被ばくの危険を冒しながら仕事に従事する労働者にも、自らの被ばくリスクに対する正確な情報を得る権利があります。どこでどのように暮らすかを決めるのも、より安全な仕事を選ぶのも、憲法に定められた基本的人権です。その権利が、侵害されています。(注)
2020年はオリンピック/パラリンピックイヤー。グリーンピースの調査で、聖火リレーの出発地点であるスポーツ施設・Jヴィレッジ周辺でホットスポットが見つかり、東京電力は再除染を実施しました。
グリーンピースの調査が公表された後、聖火リレールートの放射線量などが発表されました。しかし、今回、福島県での調査でわかった複雑な再汚染による健康リスクについては、政府は市民にわかりやすい形で提供をすることをしていません。
(注)調査報告書『原発事故の最前線:労働者と子どもへのリスクと人権侵害』2019年発行 調査報告書『格差ある被害 原発事故と女性・子ども』2017年発行

グリーンピースの調査により、スポーツ施設・Jヴィレッジ隣接の駐車場でホットスポットが発見された。
2019年10月26日。
あなたのご寄付の成果
東京電力福島第一原発事故後
9年間の
グリーンピースの
主な放射能調査と活動
郵送のお申込みはサポーター窓口まで。
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2011年
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3月26~27日
福島県飯舘村・浪江町など6地点で事故後最初の空間線量調査
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3~4月
エネルギー政策の改善を求める署名
「枝野さん 安全な電気がほしいです」実施 -
3~5月/6~10月
調査地域:宮城・福島・茨城、宮城~千葉沿岸・沖合
調査対象:保育施設・学校を含む空間線量および食品・土壌・海水・堆積物・魚介サンプル -
5~6月
緊急署名「菅さん 原発止める政策支持します」実施
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9~11月
調査地域:全国の大手小売店店頭
調査対象:加工品を含む魚介類
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3月26~27日
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2012年
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1~3月/5~12月
調査地域:全国の大手小売店・飲食店店頭
調査対象:鮮魚・ベビーフードを含む加工食品・飲料 -
2月
福井県に関西電力大飯原発の再稼働をとめるための臨時の活動拠点を設置
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2~3月
愛媛・福井で紙風船を使った放射性物質飛散シミュレーション実験実施
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5~11月
調査地域:福島・千葉・東京
調査対象:空間線量、魚介類・海藻サンプル
福島市内のモニタリングポストの数値が周辺より低く表示されることを
指摘、政府により改修が決定 -
9~10月
政府に原発ゼロを求める緊急署名実施
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1~3月/5~12月
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2013年
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2月/5~6月/9~10月
調査地域:福島
調査対象:空間線量および食品・土壌・魚介類・海藻サンプル -
3月
調査地域:全国の大手小売店店頭
調査対象:鮮魚 -
2~11月
製造責任を原発にも適用する原子力損害賠償法の改正を求めて
原発メーカー・政府にはたらきかけ、国際署名を実施 -
5~10月
放射能汚染水の流出問題の早期解決を求めて政府・電力会社に
はたらきかけ -
11月~2016年
「とめよう再稼働」署名開始
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2月/5~6月/9~10月
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2014年
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2月
世界各国の活動家・メディアとともに被害者を訪問、事故の現実を
世界に発信 -
10月
調査地域:福島
調査対象:空間線量
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2月
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2015年
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2月~
川内原発再稼働反対行動
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4月/6~7月/10月
調査地域:福島
調査対象:空間線量および土壌サンプル
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2月~
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2016年
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2~3月/11月
調査地域:宮城・福島の河川および沿岸、滋賀県琵琶湖岸
調査対象:空間線量および海水・土壌・堆積物サンプル -
4月~
電力自由化スタートに伴い「電力会社クリーン乗り換えガイド」公開
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4月~
関西電力高浜原発1、2号機の運転延長認可取り消しを求める裁判に職員が原告として参加
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11月~2017年3月
日本製原発部品の強度不足問題を告発、緊急署名を実施
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2~3月/11月
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2017年
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3月
原発事故被害の帰還政策の人権侵害に関する意見書を国連人権理事会に
提出、国際署名を実施 -
9~10月
調査地域:福島
調査対象:空間線量および土壌サンプル
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3月
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2018年
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2月
原発事故の被害における女性と子どもの権利についての調査報告書を発表
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9月
原発事故被害者の避難の権利を国連人権理事会に訴えるためのクラウドファンディングを開始
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3月/10月
原発事故被害者といっしょに国連人権理事会加盟国代表の前で直接被害を訴える
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10月
調査地域:福島
調査対象:空間線量および土壌サンプル
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2月
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2019年
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2月
除染作業員や原発労働者の被ばく・人権や福島県 浪江町と飯舘村における放射線の調査報告書を発表
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7月~12月
汚染水を意図的に放出せずトリチウム分離技術の開発・適用を求める署名を実施、汚染水処理対策委員会に提出
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10~11月
調査地域:福島
調査対象:空間線量および土壌サンプル
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2月
放射能汚染水の海洋・大気放出案は撤回を

東京電力福島第一原発敷地内の処理水タンク。2018年撮影。
代替案をほとんど検討せず「放出」 1月31日、東京電力福島第一原発の汚染水処理をめぐり、経済産業省の「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(ALPS小委員会)」で、100万トン以上の放射能汚染水(処理水)の海洋放出、水蒸気放出を政府に提言することが決まりました。
グリーンピースはこれに対し、「タンク内にはトリチウムだけでなく、ストロンチウムなど危険な放射性物質が基準以上に含まれている」「放出時には薄めて基準値以下にするというが、放出される総量は変わらない」「大量の放射能を環境中に拡散させることになり、この取りまとめでは、人も環境も守れない」と指摘。2019年12月24日に汚染水処理対策委員会宛に、汚染水を意図的に放出しないよう求める4万1521筆の署名を提出しています。署名にご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
2018年に開かれた公聴会では海洋放出への反対が大多数を占め、『陸上保管案』について小委員会で検討することに。小委員会では、委員たちがタンクの増設のスペース確保や敷地外での保管が可能であると確認したにもかかわらず、今回の取りまとめでは『陸上保管案』が排除されてしまいました。
汚染水問題は国際問題 グリーンピース・ジャパンのエネルギー問題担当、鈴木かずえは「環境、地域社会、太平洋およびその他の海の広範な汚染を犠牲にしてコストの最も低い選択肢を選ぶのではなく、放射能汚染水について、より安全で持続可能な代替案を慎重に検討するべき」、グリーンピース・ドイツ 核問題スペシャリストのショーン・バーニーは「本件は国際的に注目されています。 日本政府は国際社会に対し、汚染水をなぜ海や大気に放出する必要があるのか、他の解決策を提示できないのかについて、早急な説明を行わなければなりません」としています。
1月22日には原子力資料情報室、FoE Japanとともに、原子力市民委員会の協力を得て、衆議院第二議員会館で勉強会「ALPS処理汚染水のこれから-置き去りにさ
れた陸上保管案」を開催。東京電力・環境省・資源エネルギー庁・原子力規制庁との意見交換も行いましたが、市民側から提案されたより安全な大型タンクの建設やモルタル固化などといった陸上保管案に対し、明確な根拠を示すことなく否定的な回答が相継ぎました。
参加したグリーンピース・サポーターからは「地域住民とのコミュニケーションもとれておらず、政府側との厚い壁を感じた。陸上保管を排除するなら公平なデータに基づいた説明が必要では」との意見も。
しかし、この段階で環境放出が決定したわけではありません。今後、政府は地元の意見を聞いて対応を決定することになります。そして福島県漁業協同組合連合会を
含め、福島県の多くの人々は環境中への排出、とくに海洋放出に反対しています(注)。
これからも、さまざまなNGOと協力しながら、汚染水を海洋放出させない運動を展開します。ご協力をお願いいたします。
(注)グリーンピース・ジャパン「東電福島第一原発の汚染水に関する意識調査結果」2019.10
12年前に予測されていたオーストラリアの山火事─なぜ起きているのか?
昨年から続くオーストラリアの山火事で犠牲になった動物は、10億匹まで膨れ上がっています。
1,500軒の家が焼け、少なくとも29人が犠牲になりました(2020年1月11日時点)。
山火事は関東地方の2倍の面積を焼き、その煙は、太平洋を越えてチリまで届いていました。
ところが2月になって東海岸にサイクロンが上陸、30年ぶりの記録的な大雨で今度は各地で水害の被害に見舞われています。おかげで未曾有の大火災は収束に向かっていると現地消防局はみこんでいますが…。

ニューサウスウェールズ州スノーウィーマウンテンズ・タンバルンバ郊外の火災。2020年1月11日撮影。

ニューサウスウェールズ州ムラマラン国立公園の焼け跡。
2020年1月8日撮影。

カンガロラ野生生物保護施設で保護されているウォンバット。
2020年1月12日撮影。
気候変動と山火事
オーストラリアで山火事は珍しいことではありません。
しかし、昨年は雨が例年の半分と記録的に少なく、被害を受けた場所の多くは、1月から8月の合計の降雨量が例年の50%に満たず、中には同時期の観測史上最も乾燥していたという地域もありました。
実は2008年には、気候変動研究がこのような被害を予測していました。
この研究では「山火事の季節はより早く始まり、より遅く終わるようになる、そして一般的にいってより激しくなる」「その影響は時とともに増え、2020 年には直接観測可能なものになるだろう」としていたのです。
オーストラリア国立大学気候変動研究所の専門家は、今年の大惨事は、「気候変動が山火事をさらに深刻に、さらに頻繁にしているという証拠だ」と話しています。
大量の二酸化炭素(CO2)を排出する石炭火力発電やプラスチックや紙の使い捨てなどに依存し続けることで気候変動が加速し、私たちと動物たちの命と暮らしが脅かされています。

ニューサウスウェールズ州スノーウィーマウンテンズ・タンバルンバで消火活動にあたるボランティア消防士。2020年1月12日撮影。
私たちにできること
石炭から自然エネルギーへシフトすることを政府に求める
近年、日本でも集中豪雨や大型台風による深刻な被害が毎年繰り返されています。そのたびに、たいせつな家や家族、仕事や故郷を奪われ、長く苦しい避難生活を強いられる被災者が後を絶ちません。
こうした異常気象が激化している原因のひとつが気候変動であることにもはや疑いの余地はありません。
気候変動の最悪の事態を避け、異常気象の激化を抑えることが、いま必要な防災です。
いますぐあなたにできること
レジ袋有料化は解決策か
この夏スタートする、レジ袋有料化。
国内ではとても大きなニュースになったこともあり、これでプラスチック問題に向かうと期待する方々もいらっしゃるのではないでしょうか。ところが有料化といっても、一部のレジ袋は除外されるなどの「穴」がチラホラあるようです。

エジプト・ワディエルガマル国立公園の海岸。2018年1月。
「厚みのあるプラスチック袋」は除外
0.05ミリ以上のものはリユースして何度も使えるので使い捨てにはならないという理由で、除外。0.05ミリというのは、服などを買った際に渡されるショッパー(買い物袋)くらいです。
ユニクロ・GU のファーストリテイリング社は、すでにプラスチック製ショッパーの廃止を決め、今後は紙バッグ(FSC 森林認証を受けた紙など) も有料化する方針です。担当者によると、「森林に配慮している紙素材を使っているからといって、たくさん使っていいわけではない。基本的にはマイバッグを持ち運ぶ文化を根付かせ、ショッピングバッグ自体の使用を減らしていくための試み」とのこと。
分厚ければリユース可能なので有料義務化から除外というのは、こういった企業の取り組みに比べてあまりに甘いのではないでしょうか。
「植物由来」や「海洋分解性プラスチック」も除外
植物など生物由来のバイオマスプラスチックの配合率が25%以上であれば、除外。微生物によって海洋で分解される海洋分解性プラスチックも除外。これでは、バイオマスプラスチックが25% 以上であれば、それ以外の原料が石油由来であっても除外されると読み取れます。
トウモロコシなどから作られるバイオマスプラスチックも、海に流れだせば石油由来のプラスチックと同じように動物を傷つけたり、森林破壊に繋がったり、食用の穀物生産と競合してしまうなど、問題を抱えています。
また、微生物によって海洋で分解される海洋分解性プラスチックはまだほとんどありません。

紅海のサンゴ礁に浮かぶレジ袋。2006年4月。

イギリス・テムズ川河口で回収されたショッピングバッグ。2017年1月。
10年遅れで内容も薄い“有料化”
イオンでは2007年からすでに無料配布禁止の取り組みを始め、2011年からは有料のレジ袋に関してもバイオマス配合素材への切り替えも始めています。バイオマスプラスチックが25%以上のレジ袋を使っている小売大手はイオン以外にもあります。
世界ではプラスチック製レジ袋は有料化どころか禁止に向かっている国や地域もあり、さらにはレジ袋を超えて使い捨てプラスチック全般への規制も厳しくなっています。
一刻も早く本質的なリデュース・リユース議論を 今回のレジ袋有料化は、使い捨てプラスチック対策の第一歩です。しかし国際的には、有料化どころか禁止の動きが加速し、プラごみ全体をどうするかという議論が進んでいます。
有限な資源が使われる以上、素材が何かということは本質的な問題ではなく、根本原因である使い捨て包装に依存したビジネスモデルや暮らしのあり方を見直すべき。今回のレジ袋有料化は、例外対象を設けたことにより「まやかしの解決策」の一つでもある「代替品への移行」への道を開き、使い捨て文化の脱却からさらに遠ざけてしまう可能性があります。
使い捨て包装に頼らない小売業者への革新を求めたグリーンピースの報告書「スマート・スーパーマーケット」では、世界中にすでにあるリユース(再利用)・リフィル(詰め替え)のアイデアを組み合わせるだけでも、さまざまな解決策が生まれており、使い捨て包装に頼らない社会は実現可能であることを紹介しています。
Supporter’s interview
浅田正文さん・眞理子さん
グリーンピースをご寄付でサポートしてくださる皆さんをご紹介するSupporter’s interview。
今回は自給自足で暮らしていた福島県から石川県に避難中の浅田正文さん・眞理子さんご夫妻にお話をお伺いしました。

事故前の福島、秋深まった青空のもとで燻炭つくりの様子

2014年6月4日、東京地裁前でバナーを持つご夫妻
楽しかった16年間を過ごした福島を離れて
もともと東京で区民農園を借りて、野菜づくりをしてたんです。第二の人生は田舎で、時間に追われずのんびりした生活がしたくて。東京に近くて自分たちの手が届く場所が、福島の阿武隈山系の山の上でした。
1995年に移住したら隣の方が田圃や畑を貸してくれて、野菜もお米も自給自足の生活が始まりました。自然農法でその土地の力で収穫できたものをいただく。作物が小さいうちは、苗に陽が当たるように草を刈って、根元に置いておくんです。するとそこで草が発酵して自然に肥料になる。そして虫やカエルや小さい生きものがたくさんいる、命
の賑わい豊かな畑になるんです。
薪でお風呂を焚いて、ゴミはコンポストで分解して、何でも自分の手足を動かして、お天気の日はこんなことしよう、雨だったらこんなことしよう。16年、そんなふうに暮らしました。
私たちが住んでいた場所は福島第一原発から25km。3月12日に1号機が爆発したとき、金沢の知人が逃げてこいと電話をかけてきてくれて、翌日には伝手を頼って金沢まで避難しました。住宅支援で入居できた市営住宅の契約は半年だったけど、3号機も4号機も次々に爆発して、そんなに早く帰れる訳がないと思いました。
うちの畑のそばの杉林の土壌汚染は1平米あたり100万ベクレルです。そんなところに住めません。
帰れるものなら帰りたいけど、帰れるわけがない。でもやっぱり帰りたい。気持ちがふらふら揺れて、すごくつらかった。
こんな思いはもう2度と誰にも味わってほしくないという思いでずっと暮らしています。それで大飯原発(福井県)や志賀原発(石川県)の運転差止訴訟原告に参加しています。また、福島県等の避難者でグループをつくり、毎月通信を発行し、福島の現状を広く伝えています。依頼があれば、講演・スピーチも行なっています。
一方で、避難指示が解除されて帰還した人たちとの交流はなくなってしまいました。一時帰宅してもなるべく顔をあわせないようにしています。それは気持ちがすれ違ってしまっているから、どんな顔で会えばいいのか、わからないから。
大飯原発再稼働差止訴訟判決に「国富とは豊かな国土とそこに国民が根をおろして生活していること。それを取り戻すことができないことが国富喪失である」とあります。
未だに緊急事態宣言発令中であり、年間被ばく許容線量を他県の20倍に緩めたダブルスタンダード。このことを自由に口に出せない雰囲気。さらに汚染水放流、除染土再利用、等々、事故は継続中なのです。事故対応には問題だらけと感じています。
世界のグリーンピースのニュースをお届け!

気候変動を抑えるために、
なぜ豊かな海が必要なのか?

「ウォレスとグルミット」や「ひつじのショーン」シリーズで知られるアードマン・スタジオによる海洋保護キャンペ ーン動画。カメの一家の物語を通じて海の環境破壊を描く。
世界の海を保護する大きなチャンス
数十億の人々に食料を提供し、気候を安定させ、地球上の命を維持する上で重要な役割を果たしている、海。
しかし昨年、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が発表した特別報告書では、気候危機によって海も危機に瀕していることを示す厳しい科学的証拠が挙げられていました。
人が化石燃料を燃焼させることで大気に放出している二酸化炭素(CO2)は海にも吸収されます。CO2を吸収すればするほど海はより酸性になり、酸性の海は、温かい海に生息する美しいサンゴ礁や殻をもつ生物をはじめ、さまざまな動物プランクトンの成長や繁殖に悪い影響を与えます。
海の生きものたちの危機は、気候を安定させる地球のシステムの危機でもあります。
各国政府はいま、国連のもとで世界の海を守る国際条約づくりの交渉をしています。強力な国際条約が合意されれば、近い将来、2030年までに少なくとも公海の30%を人間の活動の影響を受けない海にできる可能性があります。
広範囲で海を保護できれば、人の活動でダメージを受けた海の生きものの生息状況を回復させ、成長を助け、豊かな海を蘇らせる大きな効果をもたらすことになります。回復力のある海は、気候変動の悪化するペースを抑え、地球上の生命を支え続けることができます。
私たちのリーダーに決定的な行動を要求するのに、今がかつてないチャンス。世界の約260万人が強力な世界海洋条約を求めているのです。
いますぐあなたにできること

ヘレン・ミレンやジム・カーターなど豪華キャストが声優を務めた。
Greenpeace Japan officeより
Announcement
グレタ・トゥーンベリさんの活動が絵本になりました
15歳でスウェーデン議会前で気候変動に抗議するストライキを始め、ノーベル平和賞候補にもなったグレタさんの活動をヒントにつくられた絵本「グレタとよくばりきょじん たったひとりで立ちあがった女の子」がフレーベル館から発売されました。
ファンタジックなイラストと、お子さまにもわかりやすい平易な文体で、環境問題とその解決のために行動を起こす勇気を丁寧に描いています。巻末では誰でもすぐに始められるとりくみについても紹介。
定価は1,400円(税別)。売り上げの3%はグリーンピース・ジャパンに寄付されます。
書店などでお見かけになったら、ぜひ手にとってみてください。

Member of Greenpeace Japan office

福島県郡山市出身。大学時代の専攻はファッション。婚礼衣装や工芸品を通じて日本の伝統に触れ、昔に比べて今の私たちの生活が地球にいかに深刻な負担をかけてしまっているのか、心が痛かった。
環境負荷をいかに減らせるか、知識を深めて買い物は投資という視点で生活しています。
グッドライフのジュニアキャンペーナーとして、2019年9月グリーンピースに入職。趣味は日光浴、散歩、読書、モットーは自然とともに生きること!
サポーター窓口より
担当:金海
春、新生活のシーズンですね。
お引越しなどでご住所や電話番号が変わられた方、メールアドレスを変更された方は、お手数をおかけいたしますが、サポーター窓
口までご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
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(平日午前10時〜午後18時)
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