気候危機から命をまもる
イタリアのエミリア・ロマーニャ州で、洪水に見舞われたコミュニティに支援するグリーンピースのボランティアたち。
同州は、人命を奪い、36,000人以上が家を失う壊滅的な洪水に見舞われた。(2023年5月29日)
気候危機が新しい日常に─
バヌアツのエファテ島で、洪水によって甚大な被害を受けた家屋とその住民。2022年。
世界を襲う洪水・干ばつ・猛暑・森林火災
2023年も半分以上が過ぎました。気候変動の影響によって、世界各地で異常気象が続いています。
特に7月は過去12万年の中で史上最も暑い月となり、国連のグテーレス事務局長はこの状態を「地球沸騰化」として警告しました。日本では、島根県、九州北部、秋田県で記録的な豪雨によって家屋への浸水や土砂崩れ、河川氾濫の被害が。一方、東京をはじめ日本各地で40度を超える猛暑日が続きました。
2023年の異常気象による被害は、日本だけにとどまらず、アジア各国、北アメリカやヨーロッパ各国でも豪雨による被害、大規模な森林火災、干ばつ、極端な気温上昇が起きています。
異常気象が激化している原因
人のいのちを奪う恐ろしい気候災害が続出しているのは一体なぜなのでしょうか。地球全体の気温を上昇させる地球温暖化が、気候や生態系に様々な影響を及ぼしています。その影響を最も強く受けている現象の一つが台風です。台風の発生や発達に必要なエネルギーは、海水温の上昇によって増えると考えられています。地球温暖化によって今以上に海の温度が上がれば、さらなる台風の巨大化や、豪雨をもたらす台風の増加が起こるという予測もあります。
世界気象機関(WMO)が発表した災害の規模を示す評価によれば、1970~2019年までの50年間で1万1000件以上の災害が発生し、200万人以上が死亡、経済損失は3兆6400億ドル(約400兆円)に達しています。
九州の北部を襲った記録的な豪雨によって、佐賀県内各地では浸水被害が発生した。2019年。
異常気象は人災
こうした全世界で猛威を振るう異常気象を「新しい日常」として受け入れてしまっていいのでしょうか。産業革命以降、地球の温度はすでに1.2度上昇し、猛暑の気温は底上げされ、干ばつによって森林火災は加速し、豪雨の雨量はますます増えています。
今まさに私たちは、気候危機の世界を生きていますが、これ以上の温暖化を止め、異常気象の激化を抑えるための解決策はまだ残っています。
HELP展「30年後には消えてしまうかもしれない」を開催予定
2023年11月17日~26日まで、東京・青山「LIGHTBOX STUDIO AOYAMA」で、HELP展「30年後には消えてしまうかもしれない」の開催を予定しています。気候変動は、さまざまな形で私たちの前に現れます。大雨がもたらす洪水、山火事による有毒な煙、焦げそうなほどの熱波がすべてを乾燥させる・・・。私たちがこのHELP展で目指すのは、「気候変動とアート」をコンセプトに、気候変動の影響がどのような形で日本にやってくるかを来場者に気づいてもらうことです。気候変動がもたらす課題を表現することで、日本の多くの人々が、持続可能なライフスタイルを模索する強い動機付けを受け取る機会を提供したいと考えています。
気候危機をくいとめる
グリーンピースの取り組み
トヨタ自動車の株主総会に合わせ、同社本社前でEV転換の早期推進を訴えたメッセージを掲げた。(2023年6月14日)
トヨタへの気候変動対策をめぐる株主提案
異常気象を激化させる気候変動を抑える解決策の一つが、交通・運輸部門の脱炭素化です。世界の温室効果ガスの23%は運輸部門から排出されているので、このCO2を削減することは気候変動を抑える上で大きな意味を持ちます。
グリーンピースは2021年より、世界最大の自動車メーカーであるトヨタのEV(電気自動車)の開発・販売への消極的な姿勢の転換を求めて働きかけてきました。トヨタが化石燃料を使う車をつくることを見直せば、世界の気候変動対策を確実に一歩進めることができるからです。
しかし、現状をみると、トヨタはグリーンピースが実施した自動車大手メーカーの気候変動対策に関する調査で、2年連続で最下位に位置しており(2021年、2022年)、世界を良い方向へリードすべきトップ企業としての責任を果たしているとはいえません。
そこで、グリーンピースは、6月14日に開催されたトヨタの株主総会に、最小単位の株を保有する株主として出席。2050年までのネットゼロ実現に整合するEV開発戦略の早期推進とガソリン車廃止へのコミットメントを求めました。
トヨタの佐藤新社長の就任100日目に合わせて実施したトヨタユーザー1千人への意識調査の結果。
(2023年7月7日)
トヨタ自動車の株主総会に合わせ、愛知県豊田市の同社本社へ同社のEVを運転して移動するグリーンピースのスタッフ
(2023年6月13日)
トヨタのEV施策に対して識者とユーザーの評価を調査
トヨタ株主総会の直後、グリーンピースは、EV専門家に依頼したトヨタ自動車の佐藤恒治新社長への評価結果と、日本国内のトヨタ車のユーザー1000人を対象に実施した意識調査の結果を発表しました。
2人の専門家からは、トヨタがEV開発戦略を加速すれば気候変動対策や脱炭素化に貢献できるとの期待の一方で、2050年のカーボンニュートラル達成のためには遅くとも2035年には完全にゼロ・エミッション車に移行する必要があるところ、同社はガソリン車やハイブリッド車の製造・販売も続けようともしていることに不安を感じる、という指摘がなされました。ユーザーからは、EV車の価格の引き下げを求める声のほか、5人に1人はトヨタはEV開発に集中すべきと回答、EVもハイブリッドもガソリン車もすべて手掛けるという同社の全方位戦略は必ずしも支持されているわけではないことが明らかになりました。
グリーンピースのスタッフがトヨタのEVに試乗
今回の株主総会に出席するため、グリーンピースのスタッフは、トヨタ本社のある愛知県までの道のりの約150キロを、トヨタのEV車「bZ4X」に乗って移動してみました。その際に実際に体験した「運転のしやすさ」、「充電設備の充実度」、「充電費用」をリポートにまとめています。ぜひ下記のQRコードからご覧ください。
EV車ドライブを体験してみて見えてきた問題点もありました。今後も、科学的事実、そして生活者視点の課題の両輪で、地球環境の未来を守るための交通・モビリティの実現を目指し、活動を続けます。
市民がつながり、
気候危機をくいとめる
ゼロエミッションを実現する会
活動ハイライト
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5月
5/25 東京都、川崎市の太陽光パネル義務化決定を受けて、「屋根置き太陽光パネル設置を全国で標準化するには」を自然エネルギー100%プラットフォームと共催。288人が参加
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6月
6/23 「とっとり健康省エネ住宅のさらなる挑戦 快適な住まいで脱炭素を実現」を開催。153人が参加。自治体や自治体議員も多数。
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7月
自分の住む自治体の気候対策を強化したい人のための「きほんのき」講座開催。7月7日、神奈川県の複数のグループによる神奈川県へ脱炭素関連の予算要望書を提出、「七夕アクション」の実施をサポート。神奈川新聞で記事に。
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6月
ゼロエミッションを実現する会 横浜発信の署名「学校の断熱改修を、早急に進めてください」を全面サポート。約27,000筆を文部科学大臣に提出。
地球沸騰化の時代にますます大事な市民のアクション
「温暖化は終わった。地球沸騰化の時代が到来した」と国連事務総長が警鐘したとおり、この夏は、記録破りの暑さとなりました。グリーンピースは、2020年に「ゼロエミッション東京を実現する会」を立ち上げ、都民がつながって東京都のゼロエミッション=カーボンニュートラル、脱炭素を実現することを目指しました。動きはすぐに全国に広がり、2021年には、名前も「ゼロエミッションを実現する会」に変更し、いまではfacebookグループに1840人もの仲間がいます。
自分の自治体の気候対策強化をめざす方ならどなたでも参加可能です。「ゼロエミッションを実現する会」のグループマップに登録されているグループは北海道から沖縄まで約40グループになりました。
グループマップは
こちらのURLをご覧ください
https://zeroemi.org/map/
毎週の相談会から生まれる効果的なアクション
会では毎週土曜日朝10:00から「定例相談会」を開いています。活動をしていると、いきづまったり、悩んだり、迷ったりすると思いますが、相談会でお互いにアドバイスをしあい、そこから効果的なアクションが生まれています。
また、毎週土曜日の9:30からはオリエンテーションを開催しています。
(お問い合わせ先:https://zeroemi.org/contact/)
写真提供:東京大学 前真之准教授
写真提供:change.org
自治体が取り組むべきは、省エネと再エネ
会では、今、多くのグループが、省エネ(建築物の断熱性能を向上させることなど)と再エネ(屋根置きソーラーの設置を標準化させることなど)を目指して活動しています。
そんな中、ゼロエミッションを実現する会・横浜が「学校の断熱改修を、早急に進めてください」と求める署名をはじめていて、現在27,000筆を超えています。
グリーンピースでは、この署名活動を全面的にサポートしています。
上で使用している写真は、前真之東京大学准教授が撮影した無断熱で日射遮蔽ができていない教室の室内表面温度分布です。前先生は、「日射熱で高温になる屋根の熱がそのまま天井に伝わるため、天井の温度は42℃に達しており、エアコンの設定温度は17℃で、10℃の冷風が吹き出ししていますが、断熱不足で熱侵入が大きすぎるため、室温は31℃までしか下がっていません」と解説しています。
2018年以降、学校へのクーラー設置が進んでいますが、断熱が施されていないためクーラーが効かず、最上階など、日射の影響を受けやすい教室は危険な高温にさらされています。全国の小、中、高校のすべての教室の断熱を、国が進める必要があります。
8月29日、ゼロエミッションを実現する会・横浜(ゼロエミ横浜)が発信した学校の断熱改修を求める署名を永岡桂子文部科学大臣に手渡しました。グリーンピースは、ゼロエミ横浜やともに署名活動に加わった「ふじさわ学校断熱ワークショップ実行委員会」、そして専門家ら呼びかけ人とともに記者会見をし、大臣・副大臣と意見交換をおこないました。大臣には、とても暑い教室の現状、断熱改修で子どもたちを守れることをご理解いただきました。今後も、行政が学校の断熱改修に取り組むよう、はたらきかけを続けます。署名も継続します。ご協力、ご支援をお願いします。
地球の未来を左右する
国際プラスチック条約
米ワシントンDCの国会議事堂前で、バイデン大統領へのメッセージを巨大なペットボトルに投影するアクションを実施。プラスチック生産量の上限を優先する強力な条約を支持するよう求めた。(2023年5月15日)
条約策定のための2回目の国際会合に参加
5月29日~6月2日にパリで行われた「国際プラスチック条約」の中身を議論する第二回政府間交渉委員会(INC2)に、世界のグリーンピース代表団の一員として日本事務所から参加しました。
INC2にて議論された重要なポイントは、「原料採掘からプラスチックの生産を制限し、蛇口を閉める」のか、それとも「プラスチックごみの処理や管理に焦点をあて、生産については各国の自主的な取り組みに任せる」のか、という点。
日本政府は「プラスチック汚染に関する高野心連合(HAC)」に参加するなど、積極的な姿勢を見せつつも、本会合では各国の事情を優先し、世界共通規制への支持が強く見られず、国際社会からは生産規制に前向きでないと見られています。
企業の必死なロビー活動が示すプラ条約の影響力
プラ条約がプラスチック原材料の採掘から生産までを規制する内容になれば、汚染をなくすだけでなく、石油の消費量も大幅に削減され、二酸化炭素の排出量が大きく減ることになります。環境へのプラスの影響は計り知れません。しかし、この変化は同時に、プラスチックやその材料の石油から利益を得てきた企業や国にも大きな影響を与えます。そのため、会合には自社利益と相反する条約内容にならないよう、プラスチックの有用性を説いてまわるなどのロビー活動を行う企業の参加も見られました。こうした動きが、はからずもプラ条約のインパクトの強さを浮き彫りにしています。
身近なカフェから使い捨てを減らそう
昨年カフェ業界を対象に行ったグリーンピースの調査で、最も使い捨てカップを排出しているチェーンはスターバックスに続いてタリーズであることが分かりました。プラスチックや紙を大量に使い捨てることは、資源がもったいないだけでなく、海の汚染や気候変動にも影響を与えます。テイクアウトの使い捨てカップを減らすためにリユースの仕組みを大規模に早期導入することが求められていますが、カフェ大手がいますぐにでもできることは、店内でリユースのマグカップやグラスを積極的に活用することです。そこでグリーンピースでは、8月のお盆期間からスターバックスやタリーズでどのくらい店内マグカップとグラスが活用されているか、全国の市民と一緒に「リユース調査アクション」を実施しました。結果は9月中に発表予定です。
大手カフェチェーンに使い捨てカップの削減を求める署名にもご参加ください。
プラごみを減らしたい、という思いを「見える化」する
5月30日の「ごみゼロの日」から、6月の環境月間、そして国際的なムーブメントとして定着した「PlasticFree July」(使い捨てプラスチックの使用を控える7月)の2カ月間に渡って、マイタンブラーやマイ容器を使っている写真をSNS上で集めるアクション「#リユースでラブアース」を開催しました。企画には100人以上の方から、素敵な写真と「リユースがもっと広がってほしい!」という声が寄せられました。これらの写真は、リユースが当たり前の仕組みになることを求めるメッセージとともに、グリーンピースが働きかけをしている大手カフェチェーン3社にお送りする予定です。
あなたにもできる、
未来への最上の贈り物
「遺贈」という言葉を聞いたことがありますか?
遺贈寄付とは、遺言書を作成して、財産の一部(もしくは全部)を団体や個人に寄付することです。「財産の多いお金持ちのすること」と思われがちですが、そうではありません。グリーンピース・ジャパンでは、金額にかかわらずありがたく頂戴しております。また、残った預金の◯%を寄付するといった形で遺言書に書くことも可能ですので、金額を決める必要もないのです。
ただ、遺言書を書く方が日本ではまだ少ないのは事実です。その一方で、7割の人が「親族には遺言書を書いておいてほしい」と答えたという調査結果もあります(※)。遺贈するしないにかかわらず、ご家族やご親族のためにも、自身の財産について意志を示しておくことは大切です。
寄付収入の10%を占める寄付の方法とは
イギリスなどの海外では、遺言書を書くことや遺贈寄付をすることは一般的です。グリーンピースの海外のオフィスでは、寄付収入の10%を遺贈寄付が占めているところもあり、環境をまもる活動に大きな役割を果たしています。
毎年9月13日は、国際遺贈寄付デー。その前後には世界のさまざまな国で遺贈寄付に関するイベントが開催されます。日本での「遺贈寄付ウィーク」には、グリーンピース・ジャパンも協賛団体として参加しました。
最近は、終活に取り組む方が増えています。終活の手始めとして、あなたも遺贈寄付について考えてみませんか。詳しい資料をご用意していますので、ぜひQRコードからお申し込みください。さらに、グリーンピースへの遺贈寄付にご関心がある方には、オリジナルエンディングノートを特別にプレゼントいたします(10月15日までにお申し込みくださった方限定)。
今すぐ、未来への最上の贈り物を準備しませんか。
※一般社団法人日本承継寄付協会が実施した「遺贈寄付に関する実態調査2022」による
大切なお知らせ
毎月クレジットカードで
ご支援くださっているサポーターの皆様
グリーンピースではセキュリティをより強化するため、2023年4月からご登録のクレジットカードの有効期限満了時に、カード情報更新のお手続きをお願いしております。
有効期限満了時などの際には、ご自身での情報更新が必要となります。カード情報が古く、お引き落としができなかった場合、メールやお電話、お手紙などでお知らせしています。国際標準によるクレジットカードのセキュリティ強化に伴う変更に、ご理解・ご協力をお願い申し上げます。
「クレジットカードの番号」・
「有効期限」に変更があった場合
新しいカードがお手元に届いてから、
1ヶ月以内の更新をお願いしております。
Greenpeace Japan officeより
Announcement
「グリーンピース・ジャパンの事務所が移転しました」
2023年8月1日より、グリーンピース・ジャパンは下記の住所へ事務所を移転しましたのでご案内いたします。移転にあたり、電話番号とFAX番号も変更になっております。
【移転先所在地】
〒105-0004
東京都港区新橋3丁目3番13号
Tsao Hibiya12F
TEL03-4334-6986
FAX03-6838-9242
この移転を機に、科学的根拠に基づいた確度の高い提案と、徹底した現場主義を軸に、"行動するNGO"としてさらなる活動に邁進してまいります。今後とも変わらぬご支援をいただきますよう、心よりお願い申し上げます。
Member of Greenpeace Japan office
「気候変動・エネルギー担当。今年4月にグリーンピースに入職するまで、グローバル・サウスでの社会開発・人道支援に従事していました。気候危機が人々の生活に甚大な影響を及ぼしているのを目の当たりにし、この人類の最大の課題に直接取り組みたいと転職を決意。これまでラオス、ネパール、英国で駐在・生活したことがあります。趣味はガーデニングとウォーキングです。」
サポーター窓口より
担当:田中・新井田
少食(フードロス削減)、プラントベース(菜食)を心掛けていますがこの暑さでは食べないと!身体が持ちませんね。自分のできる範囲で地球に優しい生活していきたいです。皆様も、地球環境のため実践していることがありましたら、お気軽にサポーター窓口までお知らせください。
アンケート
サポーターの皆さまご自身や皆さまのご意見をよりよく知ることで、グリーンピースの今後の活動の参考とさせていただきたく、アンケートを実施しております。ご回答にかかるお時間は2〜3分程度です。
二酸化炭素排出量削減の観点から、今後のNewsletterの受け取り方についてもお尋ねしています。
ひとりでも多くの皆さまのご回答をお待ちしております。
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